修正BSDライセンスの条文を読む (4)
引き続き、修正BSDライセンス(New BSD License)の条文(英語)を読みます。
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2番目の文(後半1)
2番目の文の後半の、「any direct ... consequential damages」の部分です。
any direct, indirect, incidental, special, exemplary, or consequential damages
- damages
- 損害賠償(金)
- direct damages
- 直接損害賠償 (直接損害に対する賠償)
- indirect damages
- 間接損害賠償 (間接損害に対する賠償)
- incidental damages
- 付随的損害賠償 (付随的損害に対する賠償)
「付随的損害」は、「偶発的な損害」と訳される場合もあるようです。 - special damages
- 特別損害賠償 (特別損害に対する賠償)
- exemplary damages
- 懲罰的損害賠償 (懲罰的な損害賠償)
「『懲罰的損害』の『賠償』」ではなく、「『懲罰的』な『損害賠償』」です。 - consequential damages
- 結果損害賠償 (結果損害に対する賠償)
「結果損害」は、「派生的損害」と訳される場合もあるようです。
「damage」は「損害」を意味しますが、契約文書での「damages(複数形)」は「損害賠償」を意味します。「be liable for」の後に続くことから、この文の「damages」も「損害賠償」を意味すると考えられます。
ここでは、6種類の損害賠償が挙げられています。(direct, indirect, incidental, special, exemplary, consequential) これらは、アメリカの法律に基づいた表現らしく、日本の法律での表現とは、完全には対応しません。そのため、一部の用語の日本語訳には、いくつかのバリエーションがあるようです。しかし、この免責条項では「どんな損害賠償の責任も負わない」ということを明言しているだけですので、その詳細を気にする必要はないでしょう。
日本語訳は、このようになります。
どのような直接損害賠償、間接損害賠償、付随的損害賠償、特別損害賠償、懲罰的損害賠償、結果損害賠償 (に対しても、責任を負わない)
2番目の文(後半2)
2番目の文の後半の、「(including, ...)」の部分です。
(including, but not limited to, procurement of substitute goods or services; loss of use, data, or profits; or business interruption)
- including, but not limited to, A
- Aを含み、それ以外も含む可能性がある
- procurement
- 調達
このような意味になります。
(「代替品や代替サービスの調達」、「使用機会、データ、利益の損失(に対する賠償)」、「業務の中断(に対する賠償)」、「その他」を含む)
この括弧の部分は、損害賠償の内容を補足しています。(たぶん結果損害賠償に対する補足だと思いますが、自信はありません。)
2番目の文(後半3)
2番目の文の後半の、「however ... tort (...)」の部分です。
however caused and on any theory of liability, whether in contract, strict liability, or tort (including negligence or otherwise)
- liability
- 法的責任
- strict liability
- 厳格責任
被害者が加害者の過失を証明しなくても損害賠償を請求できるような責任 - tort
- 不法行為
- negligence
- 過失
「whether ... or tort (...)」は、「any theory of liability」を修飾しています。
意味は、このようになります。
損害の原因が何であれ、そして法的責任の根拠が何であれ、つまり、契約、厳格責任、不法行為(過失その他を含む)のどれであれ
2番目の文(後半4)
2番目の文の後半の、「arising ... this software,」の部分です。
arising in any way out of the use of this software,
- arise out of 〜
- 〜から生じる
- in any way
- 何らかの、形はどうあれ
意味は、このようになります。
このソフトウェアをどのように使用して生じた損害であれ
2番目の文(後半5)
2番目の文の後半の、「even if ... such damage.」の部分です。
even if advised of the possibility of such damage.
意味は、このようになります。
上記の損害の発生する可能性を、事前に知らされていたとしても
今回で、ライセンスの条文を一通り読み終えました。次回は、修正BSDライセンスに関するまとめです。
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