30分でわかるER図の書き方 (7)

前々回、前回に続き、IDEF1X形式のER図について説明します。今回は、カーディナリティの記号について説明します。
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「1対多」または「1対1」のリレーションシップ

「1対多」または「1対1」のリレーションシップでは、関わりのある2つのエンティティの間に親子関係が存在します。*1 IDEF1X形式のER図では、親エンティティ側と子エンティティ側で異なるカーディナリティの記号を使います。*2

カーディナリティ記号の一覧表を以下に示します。

親/子 カーディナリティ 記号 備考
0または1 中空の菱形(◇) 非依存リレーションシップ
でのみ使用する
1 なし 特になし
0以上 黒丸(●) 特になし
1以上 黒丸(●)の横に「P」を書く 「P」は「Positive」の略
0または1 黒丸(●)の横に「Z」を書く 「Z」は「Zero」の略
N固定 黒丸(●)の横に「N」を書く N ≥ 1
N以上M以下 黒丸(●)の横に「N-M」を書く N < M、N ≥ 0、M ≥ 1

ER図の例



「多対多」のリレーションシップ

「多対多」のリレーションシップでは、リレーションシップの両側において、「1対多」での子エンティティ側の記号が使われます。つまり、リレーションシップの両側に黒丸が描かれ、場合によっては、「P」や「Z」が黒丸の横に書かれます。また、リレーションシップの線は、実線で描かれます。

ER図の例


IDEF1Xの説明は今回で終わりです。次回からは、ER図に関する補足的なトピックを扱います。
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*1:親子関係については、前回の記事を参照してください。

*2:この点は、IE形式と大きく違います。