30分でわかるER図の書き方 (2)
今回は、IE形式とIDEF1X形式のER図について、概要を説明します。この2つの形式は、どちらも実際のシステム開発でよく使われています。*1
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IE形式
IE(Information Engineering)形式のER図は、James MartinとClive Finkelsteinによって、1980年頃に提唱されました。
IE形式には、次のような特徴があります。
- エンティティを長方形(角付)で表現する。
- リレーションシップを線(実線)で表現する。
- リレーションシップの表記では、カーディナリティ(cardinality)とオプショナリティ(optionality)に注目する。
- どちらかというと、概念データモデルの表現に適している。
- 明確な規格が存在しない。
IDEF1X形式
IDEF(Integration DEFinition)は、システム開発における各種モデリング手法を標準化したものです。元々はアメリカ空軍によって開発されたのですが、後にアメリカの国家標準となり、システム開発の世界で広く使われるようになりました。IDEF1Xは、IDEFで定義されるモデリング手法の1つであり、データモデリングの分野を対象とします。IDEF1Xでは、ER図の表記についても規定されています。*3
次の図は、IDEF1X形式のER図の一例です。*4
IDEF1X形式には、次のような特徴があります。
- エンティティを長方形(角付または角丸)で表現する。*5
- リレーションシップを線(実線または点線)で表現する。*6
- リレーションシップの表記では、エンティティ間の親子関係に注目する。
- どちらかというと、物理データモデルの表現に適している。
- 明確な規格が存在する。
次回は、IE形式の詳細を説明します。
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